2009年8月21日金曜日

沖縄では新型インフルエンザ流行警報発令


��~~沖縄では新型インフルエンザ流行警報発令~~~

 新型(豚)インフルエンザ(AH1N1)が8月10日から16日の1週間に沖縄では定点となっている58医療機関で1717人の報告があり1定点あたり30人となり流行警報発令となった。

 全国平均でも定点あたり1.69人となっている。2位以下は奈良、滋賀、福島、東京、大阪、茨城、高知の都道府県で2人以上となっている。

 私の診療所でも先週高校生が一名、今週中学生が一名新型インフルエンザと判明。

 診療所のレベルでは時間的、空間的に分離して診療することはなかなか困難な状況となっている。

 1人目は来院した自家用車の中で検体採取、診察を行い、A型インフルエンザ陽性が判明したため診療所内に入れずに診療を終えることが出来たが、2人目は患者、家族はインフルエンザとは思わずに診療所内に入ってきたため診療終了後は窓を開放し約30分は他の人を入室させず、空気の入れ替えを行う事態となった。

 1人目は高校のクラブ合宿で感染、2人目は1日缶づめ状態の塾の夏期講習で感染。

 これから夏休みが終わり学校での授業が始まれば感染は急激に広がる可能性が高い。

 現在の新型インフルエンザは季節性のインフルエンザとは毒性にあまり差がないといわれるが、基礎疾患を持った人の死亡が相次ぎ、小児の重症例も各地に発生している。世界中のほとんど誰もが免疫をもっていないことや、今までのインフルエンザでも流行期には死亡率が増加することや小児には脳症を発症させる疾患ということから考えても強毒性ではないにしても弱毒性ではなく中等度毒性のものと考え十分なマスク、手洗いなど感染防御の対策が必要である。しかし感染を完全に防ぐのは困難であるので症状が出たときは早い目の受診、治療が必要となる。ただインフルエンザ迅速検査も高熱を認めてからも12時間以内は陰性のことが多く24時間ぐらいが最も陽性率が高い。早い目の検査で陰性のときは難しい対応を強いられ、集団発生や家族内感染が考えられるときは陰性例にも治療が必要となるケースが出てくるし、単発例にはなかなか治療開始の判断が難しく再検査のため時間待ちをせざるを得ないという医療側のジレンマを抱えている。