2011年2月7日月曜日

ロタウイルス感染

 ロタウイルス感染は現在は便の迅速検査でロタウイルスの有無を免疫反応で判定できるようになっていますが、一昔前までのウイルス分離が困難な時代は白痢、冬季白色便性下痢症という診断名でもっぱら整腸剤と少量の止痢剤、電解質を含んだイオン液の経口投与という治療が行われていました。

 時には8.5㎏の10ヵ月ぐらいの乳児が10数回の下痢と嘔吐を繰り返し一晩で1㎏も体重減少し7.5kgになることも流行時期には結構見かけました。大学病院に勤務していた頃12月、1月頃に一晩に10数人もの脱水症の患者が押し寄せ入院ベッドはすぐ埋まり救急室の外来ベッド3個を順番待ちで点滴していたようなことがありました。

 最近は10月頃から1月2月にかけてはノロウイルス感染が増加し、ノロウイルスに地位を奪われるかのようにロタウイルスは2月から3月に少し流行するようになりあまり重症の脱水症を見かけなくなりました。

 しかし世界中ではロタウイルス感染で1年間に200万人以上の小児が入院し、60万人が死亡しているということです。

 ロタウイルスの予防接種が2006年にできアメリカでは定期接種に組み込まれ、効果が実証されています。日本もHibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、子宮頸癌(HPV)ワクチン、B型肝炎ワクチン、水痘ワクチン、おたふく風邪ワクチン等とともに定期接種ワクチンになることが望まれるワクチンです。