2013年6月19日水曜日

MERSコロナウイルス感染症

 2012年9月に初めて中東サウジアラビアで60歳男性の急性肺炎、腎不全による死亡例が報告され、新型コロナウイルス感染症と確定されました。病原体はMERSコロナウイルス(Middle East respiratory syndrome coronavirus)と名付けられ2003年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルスに似た新型コロナウイルスでした。

 世界中で2012年9月以降2013年6月7日までに感染者55人死亡者31人を数えました。感染者は2013年5月以降に37人と急増しています。感染は中東だけに留まらずヨーロッパ人も11人が感染し、中東で感染したヨーロッパ人以外に5人はヨーロッパ内での感染であったと報告されました。これからの感染拡大も懸念されています。

 このウイルスはコウモリ起源とされていますが感染方法などは不明です。ヒトーヒト感染は濃厚接触感染と考えられています。

 世界保健機構(WHO)も大規模感染の恐れについて注意を呼びかけています。


2013年6月5日水曜日

風疹の大流行


 我国での風疹の2013年度第1~20週の発生数は7540件になった。男性5844件(77.5%)女性1896件(22.5%)であった。年齢別では男性は30~39歳が36%で、女性は20~29歳が43%で最多であった。

 都道府県別発生数では1位東京2186件2位大阪1412件3位神奈川981件となっている。ただ16~18週は5週連続で大阪は風疹発生数1位となっている。例年これから先、風疹発生の増加のシーズンに入るため今後の動向に注意が必要である。

 高槻市では条件付ではあるが本年9月30日までの期間、妊娠を予定、希望している19歳以上の女性と現在妊娠している女性の夫に風疹予防接種(風疹ワクチン、MRワクチンのいずれか)の全額助成事業を行っている。


2013年6月4日火曜日

先天性風疹症候群


 風疹に免疫のない妊婦が妊娠20週ごろまでに罹患すると新生児に心臓病、難聴、目の異常が出る先天性風疹症候群(CRS)が発症する危険性がある。2012年10月から2013年4月までの半年間に10人のCRS児が報告された。このCRS児の母親が風疹に感染した2012年前半に比べ、風疹発生数は飛躍的に増加しているので、CRS児がこれから先増加する可能性は否めない。妊娠するまでにきっちり風疹に対する免疫をつけておく必要がある。風疹ワクチンが免疫をつけるための唯一の手段となる。