2010年8月30日月曜日

夏の旅行で暑気払い

 8月も下旬となり夏休みも終わりを告げます。ぼちぼち秋風が感じられてもより頃のはずですが、今年はまだ連日35℃以上の猛暑が続いています。

 私は夏の間も懲りずに週に2,3回は炎天下でテニスをしています。ただ熱中症予防に冷水に塩分やクエン酸など加えたものを十分用意しています。

 今年の夏は2回車で遠出をして暑気払いをしました。
��月の18,19の連休は私にとって初めての島根旅行でした。17日午後に出発して中国縦貫から米子自動車道に乗り大山を横目に見ながら一目散に玉造温泉を目指しました。翌18日は松江城、宍道湖、イングリッシュガーデン、出雲大社から世界遺産となった石見銀山にいきました。石見銀山では山道はカンカン照りでしたが、坑道(間歩)に一歩踏み入れると気温15℃の別世界でした。汗もすっかり引き約15分の心地よいひと時でした。18日の夜は立久恵峡温泉でした。

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 翌日目の前に聳え立つ立久恵峡の雄大な眺望に圧倒されました。19日はパワースポットとして最近一躍有名となった須佐神社から八雲風穴を訪れました。風穴の中に入ると最下部はなんと5℃の冷蔵庫でした。

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 その後今回の旅行の目玉の一つ足立美術館に向かいました。さすがミシュラン3星の日本庭園に見ほれました。帰途につく前に鳥取に入り境港に立ち寄り、鬼太郎、ねずみ男に会ってきました。毎朝、朝ドラであっているので“ちょっこし”うれしかったです。

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 8月のお盆は八ヶ岳のふもと、長野県富士見町の昔なじみのペンションで3日間を過ごしました。標高1200メートル程度で夜間は20℃以下になります。つかの間の骨休めとなりました。

 今回は主に隣の山梨県中心に動きました。ワイナリーもたくさんありました。下戸の私はもっぱら運転手でした。8月14日は甲府、昇仙峡散策でした。涼しい川沿い5キロのハイキングでした。滝や奇岩の渓谷美に約2時間半酔いしれました(ワインで酔うことはなかったのですが)。昇仙峡ロープウエイは私は高所が余り得意ではないので乗りませんでしたが、妻、娘の女三人の話ではロープウエイで上った後まだ弥三郎岳の頂上まで鎖を伝って這いつくばって頂上に立つと、狭くて滑り落ちそうになり、恐怖感で身体の芯から冷えたとのことでした。

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��月8月の2回の旅行とも大阪の猛暑とは違い涼感でいっぱい。命の洗濯ができた感じがしました。


2010年6月2日水曜日

百日咳は大人の病気になった?


 百日咳は特有のけいれん性の咳嗽発作(痙咳)を特徴とする病気です。

 母親からの経胎盤の移行抗体がほとんどないため乳児早期から罹患します。乳児では生命を脅かすことも稀ではありません。

 私も26、7年前、市中病院に勤務していたとき1ヵ月ぐらいの間隔で生後28日目と30日目の2名の百日咳乳児を診たことがあります。発作のないときは呼吸音も正常ですが、ひとたび発作が起これば幼児の発作のように連続する咳嗽ではなく、咳が出せず詰まって無呼吸となりチアノーゼ出現という状態となります。足の裏をたたくなど皮膚の刺激を与えようやく呼吸が始まります。どちらの時も7日から10日間ほとんど横につききりだったという覚えがあります。

 国立感染症研究所の報告によると20歳以上の成人の百日咳例が年々増加し続け、2000年には成人は2.2%だったのが2009年には40.5%、2010年度は第18週(5月9日)までに56.8%と20歳未満より多くなりました。

 全国約3000ヵ所の小児科定点の報告からの集計なので成人の実数はもっと多い可能性もあります。

 成人の百日咳は典型的な痙咳となることは少なく、かなりの長期間咳嗽が続くのが特徴なので、百日咳の診断がついていない例も多数存在すると思われます。

 成人例がワクチン未接種の乳児への感染の原因となることが考えられ注意が必要です。

 現在は百日咳のワクチンはDPTとしてI期3回追加1回の4回だけでII期のDTワクチンには含まれていません。成人例の増加から見ても早期にII期のワクチンに百日咳を含める必要性があると思います。

2010年4月19日月曜日

小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー)

 小児用肺炎球菌ワクチンが本年2月24日ようやく発売にこぎつきました。これで乳幼児の細菌性髄膜炎の原因の第1位のインフルエンザ菌b型(Hib)第2位の肺炎球菌が揃うことになりました。5歳未満の細菌性髄膜炎はHibが10万人当り6.6人/年、肺炎球菌が2.4人/年です。プレベナーは2000年に米国で承認されて以来2010年1月現在世界101ヵ国で承認、45ヵ国で定期接種に組み込まれています。米国では2000年に比べ2003年には5歳未満の侵襲性肺炎球菌感染症は94%減少し有効性が証明されています。

 高齢者の肺炎予防に用いられる23価の肺炎球菌ポリサッカライドワクチンでは乳幼児には免疫原性が低く、効果があまり望めず使用が限定されていました。プレベナーは肺炎球菌由来サッカライドに無毒化変異ジフテリア毒素を結合させて免疫原性を高めた7価の結合型肺炎球菌ワクチンです。接種は生後2ヵ月から9歳までの小児に接種しますが、2ヵ月から6ヵ月の乳児には1ヵ月以上の間隔で3回接種し、その後追加を12ヵ月から15ヵ月の間に1回行います。7ヵ月から11ヵ月では2回と追加1回、1歳では1回と追加1回、2歳以上は1回だけの接種です。


2010年2月10日水曜日

新型インフルエンザに2度罹患

 今シーズンA型インフルエンザに2回罹患した人がいるという話は聞いていた。新型インフルエンザと季節性のA型(A香港型もしくはAソ連型)に罹ったものと考えていた。わが医院でも1月中旬に6歳の男児が昨年10月に続き2度目のインフルエンザA型に罹患した。2回目なので今度は季節性インフルエンザに罹ったようですねと説明したが、いろいろ調べてみると今シーズンに新型インフルエンザに2度罹患したという症例があることが判明した。きっちりPCR法で新型であることが証明されているものもある。昨年10月以降は季節性インフルエンザウイルスがほとんど分離されていないことからも、あまの小児科の例も新型が2回と考えるのが妥当なようである。2月1日にも16歳の今シーズン2回目のインフルエンザA型例を経験した。

 発熱、咳を認めるとインフルエンザ迅速検査をしてインフルエンザと判ると早急にタミフル、リレンザの投与をする。早い目なら効果も良く治癒するので、十分にインフルエンザ抗体が出来ないうちにウイルスは消滅する。そのため2度目の感染を受けるということのようである。

 季節性では以前の感染やワクチン接種で抗体産生の経験があり、ウイルス感染で治癒までに抗体産生が始まる。新型では抗体産生経験がなく作り始めるまでに時間がかかり、薬で早めに治癒してしまうと十分量の抗体が出来ない。2回目の発病ということになるわけである。

 インフルエンザウイルスは気管の線毛上皮細胞に感染するが、新型インフルエンザは線毛上皮細胞に加えてこれまでにはスペイン風邪にしか見られなかった肺の受容体にも結合し感染が成立するので、発病後早期にウイルス性肺炎を起こし重症化する例を認める。そのために早く検査をして早く治療を始めることに躍起になっている。早く治りすぎるのも問題点を抱えているのだなあと感じた次第である。新型に罹患した人には今シーズンは新型インフルエンザのワクチンはしなくてもよいといってきたが、今ごろになり間違った説明をしてきたのではと、反省しきりのこの頃である。

2010年1月14日木曜日

来年以降のインフルエンザワクチンはどうなる?

 新型インフルエンザ流行のためか、季節性インフルエンザは毎年流行の始まる12月には全国的にほとんど分離されなかったようです。

 国立感染症研究所は世界的にも同じような状況にあると述べています。

 季節性インフルエンザの流行が全然ないとは考えにくいですが、新型インフルエンザは流行が治まりつつあるとはいうものの、終息に入るとは考え難いので、A香港型(H3N2)はともかく少なくとも新型と同じタイプのAソ連型(H1N1)は大きな流行にはならないものと思われます。

 これまでの人類史上の経験では新しいインフルエンザの世界的流行(パンデミック)があると、新しいウイルスが取って代わる現象が起きているので来年からすぐにと言う訳ではないかもしれないが、近い将来インフルエンザワクチンは新型インフルエンザ(豚AH1N1)とA香港型(H3N2)とB型の組み合わせとなる可能性が高いものと私は考えています。


2010年1月13日水曜日

初めての新潟旅行

 昨年の10月頃より新型インフルエンザの嵐が吹き荒れ大変でした。その上インフルエンザワクチンも国の方針が刻々変わり振り回され続きでした。ようやく65歳以上の高齢者が1月20日からで、高校卒業以上の人の新型インフルエンザワクチン接種の日程はまだ決まっていません。問題になっている輸入品の新型インフルエンザワクチンの出番はない可能性が高くなっています。ホームページ更新の遅れも新型インフルエンザの対応に追われたせいが大きいです。

 今回精神的と身体的リフレッシュを兼ねて1/9~1/11の連休に新潟に家族旅行に出かけました。(9ヵ月の孫を含め総勢7名)新潟は初めてだったもので屋根まで届く雪を想像して防寒具を詰め込んで出かけたのですが、市内の雪は全部融解していて、山の温泉にも人が踏み込まないところでもせいぜい20~30cmで少しひょうし抜けでした。しかし露天風呂からは一面の銀世界が見渡せ大満足でした。翌日はミニ雪合戦も楽しめました。中学生以来数十年ぶりの大はしゃぎでした。(ニュースで1/13~から今冬4回目ぐらいの寒波が入り新潟は一晩で60~70cmもの大雪が降るとのこと。我々にとってはよかったのか残念だったのか・・・)新潟市内は外気温も5℃~7℃程度と暖かく、あちこちぶらぶら歩き廻りました。あまり見かけたことがないお店でおにぎり屋さんがありました。御寿司屋さんのようにカウンターに座り目の前でおにぎりを注文して握ってもらうというシステムでさすが米どころ新潟ならではでした。水とお米がよいので炊いたお米はぴかぴかに光り、美味なのはいうまでもありません。ほかに地魚使用の居酒屋も多くノドクロ、アマダイ、ヒラメ等々新鮮なものがいただけました。新鮮なだけでなく料金もリーズナブルで、アマダイ一匹の塩焼きも680円とびっくりの値段でした。

 伊丹と新潟空港の往復は70人乗りのプロペラ機でした。20数年前に乗ったYS11以来のプロペラ機でジェットコースター気分で少し足がすくみました。

 東北地方にはあまり縁がなかったのですが、お米がおいしいとまた季節を変えて出かけてみたい気分になっています。やはり日本人ということでしょうか。